家賃節約術 vol.3「中古物件のリノベーション用の補助金11選」

節約

家賃が高くて貯金ができない」と思ったことはありませんか?

近年、家賃を抑える手段として「中古物件を購入してフルリノベーション」する選択肢が注目されています。

リノベーションは自由度が高く、理想の住まいを実現できますが、費用が気になるところ。
実は、フルリノベーションにはさまざまな補助金や助成金を活用できることをご存じですか?

この記事では、2024年以降に利用できるフルリノベーション向け補助金を詳しくご紹介します!

日本の空き家問題でフルリノベ補助金が注目

2030年空き家問題

  • 空き家の増加
    総務省の調査によれば、日本の空き家率は年々増加しており、現在では全国の住宅の約14%が空き家となっています。少子高齢化や都市部への人口集中が背景にあります。
  • 放置空き家のリスク
    空き家を放置すると、以下のようなリスクが発生します:
    • 防犯上の問題(不法侵入や火災)
    • 老朽化による周辺環境の悪化
    • 地域の景観や不動産価値の低下

フルリノベーションに補助金が使える理由

空き家の活用促進

空き家をフルリノベーションして住居や店舗として再利用することで、地域の活性化や人口減少対策につながります。自治体はこれを奨励するため、補助金を提供しています。

耐震・防災性の向上

古い空き家は耐震基準を満たしていないことが多いため、リノベーションで安全性を確保する必要があります。補助金は耐震補強や防災設備の設置にも適用されます。

環境への配慮

空き家を解体せずリノベーションすることは、建築資材の廃棄を減らすため、環境負荷を軽減する効果があります。国や自治体はこうした取り組みを推進しています。

新築と空き家×フルリノベ×補助金はどっちが安いのか?

ケース1:東京都中心部(品川区)

東京都中心部のケースにおいて、新築と中古フルリノベを比較すると
戸建て・集合住宅ともに、中古フルリノベの方がお得になることが分かりました。

戸建てでは1000万円以上、集合住宅では3000万円以上お得になることがわかりました。

これは、新築住宅と中古住宅の価格差が大きく、都心の住宅の延べ床面積が小さいため、リノベーション費用が抑えられることが要因です。

エリア 戸建て 集合住宅
①中古(築20年代) 6000万円 5000万円
②フルリノベ 990万円 990万円
③補助金 ▼376万円 ▼376万円
④中古フルリノベ+補助金(①+②+③) 6614万円 5614万円
⑤新築 8000万円 9000万円
差額(⑤-④) 1386万円 3386万円

※各諸条件
延床面積:65.9m2(東京都平均値)
リノベ費用:15万円/m2(全国平均)
補助金:先進的窓リノベ2024事業、給湯省エネ2024事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業活用
中古・新築物件価格:住宅仲介HPより駅徒歩10分以内の物件を引用(SUUMO

ケース2:首都圏・地方都市(神奈川・埼玉・千葉・博多・名古屋・仙台)

首都圏・地方都市のケースにおいて、新築と中古フルリノベを比較すると
戸建て・集合住宅ともに、中古フルリノベの方がお得になることが分かりました。

戸建てでは500万円以上、集合住宅では2000万円以上お得になることがわかりました。

東京都心部ほどではないですが、新築住宅と中古住宅の価格差が大きく、首都圏・地方都市の住宅の延べ床面積が小さいため、リノベーション費用が抑えられることが要因です。

エリア 戸建て 集合住宅
①中古(築20年代) 3500万円 5000万円
②フルリノベ 1350万円 1350万円
③補助金 ▼376万円 ▼376万円
④中古フルリノベ+補助金(①+②+③) 4474万円 5974万円
⑤新築 5000万円 9000万円
差額(⑤-④) 526万円 2026万円

※各諸条件
延床面積:89.7m2(神奈川平均値)
リノベ費用:15万円/m2(全国平均)
補助金:先進的窓リノベ2024事業、給湯省エネ2024事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業活用
中古・新築物件価格:住宅仲介HPより駅徒歩10分以内の物件を引用(SUUMO

ケース3:地方(北海道など)

地方部のケースにおいて、新築と中古フルリノベを比較すると
集合住宅は、中古フルリノベの方が5000万円お得になることが分かりました。
(※地方の駅近の新築集合住宅は物件数が少ないため、新築物件の価格に誤差あり)
一方で、戸建て住宅は中古物件のフルリノベによる値下げ効果は低いことが分かりました。

これは、新築住宅と中古住宅の価格差がないため、住宅の延べ床面積が大きいため、リノベーション費用が高くなることが要因です。地方では新築の物件を購入する方がお得と言えます。

エリア 戸建て 集合住宅
①中古(築20年代) 1500万円 3000万円
②フルリノベ 1875万円 1875万円
③補助金 ▼376万円 ▼376万円
④中古フルリノベ+補助金(①+②+③) 2999万円 4499万円
⑤新築 3000万円 10000万円
差額(⑤-④) 1万円 5501万円

※各諸条件
延床面積:125m2(首都圏以外平均値)
リノベ費用:15万円/m2(全国平均)
補助金:先進的窓リノベ2024事業、給湯省エネ2024事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業活用
中古・新築物件価格:住宅仲介HPより駅徒歩10分以内の物件を引用(SUUMO

それでは実際にどのような補助金があるかどうかを見てみましょう

リノベ関連の補助金制度

子育てエコホーム支援事業

こちらは、国土交通省・経済産業省・環境省が予算を出し合い行っている
子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援する制度」です。

子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。

(引用:子育てエコホーム支援事業HP

では、既存住宅のリフォームに関する要件を見てみましょう。

対象者

子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する住宅の新築及び住宅の省エネ改修工事等

支援額

リフォーム工事内容に応じて定める額(※)
・子育て世帯・若者夫婦世帯 上限30万円/戸
・その他の世帯 上限20万円/戸
※子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合は、上限60万円/戸
※長期優良リフォームを行う場合は、
・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限45万円/戸
・その他の世帯:上限30万円/戸

申請期間

2024年3月中下旬 ~ 2024年12月31日まで
※ただし、申請金額が予算上限に達した時点で受付終了

(参考:子育てエコホーム支援事業公式HP

先進的窓リノベ2024事業

こちらも省エネ住宅キャンペーン2024のうちの一つで、「既存住宅の開口部断熱改修のみ」が対象です。

先進的窓リノベ2024事業は、断熱窓への改修を促進し既存住宅の省エネ化を促すことで、エネルギー費用負担の軽減、健康で快適なくらしの実現及び家庭からのCO2排出削減に貢献するとともに、断熱窓の生産効率向上による関連産業の競争力強化と成長を実現させることを目的とする事業です。

(引用:先進的窓リノベ2024事業

では、省エネ窓のリフォームに関する要件を見てみましょう。

対象者

住宅に行う開口部(窓)の断熱性能を向上する事業において、既存住宅のリフォーム工事を発注する方

支援額

上限200万円/戸 ※工事内容・工事箇所数ごとに補助金額が決められており、その合算額が上限額内で支給

申請期間

2024年3月中下旬 ~ 2024年12月31日まで
※ただし、申請金額が予算上限に達した時点で受付終了

▶︎「先進的窓リノベ2024事業」公式HP

 給湯省エネ2024事業

こちらも、住宅省エネキャンペーン2024のうちの一つで、
「新築注文住宅の建築・新築分譲住宅の購入・中古住宅のリフォーム・中古住宅の購入」が対象です。

給湯省エネ2024事業は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、
高効率給湯器の導入支援を行い、その普及拡大により、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に寄与することを目的とする事業です。

(引用:給湯省エネ2024事業

では、給湯省エネ機器導入に関する要件を見てみましょう。

対象者

既存住宅のリフォーム工事にて、高効率給湯器を設置する方

支援額

①【ヒートポンプ給湯機(エコキュート)設置】8万円/台
②【電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリッド給湯機)設置】10万円/台
③【家庭用燃料電池(エネファーム)設置】18万円/台
※それぞれ一戸につき最大2台まで申請可
※①・②は、インターネットに接続可能で給湯時間を調節できる機種や省エネ性が特に高い機種を採用した場合、2〜5万円/台が加算
※③は、インターネットに接続可能で給湯時間を調節できる機種を採用した場合、2万円/台が加算
※既存蓄熱暖房機の撤去に対して10万円/台、既存電気温水器の撤去には5万円/台が加算

申請期間

2024年3月中下旬 ~ 2024年12月31日まで
※ただし、申請金額が予算上限に達した時点で受付終了

▶︎「給湯省エネ2024事業」公式HP

長期優良住宅化リフォーム推進事業

こちらは、既存住宅の性能向上や子育てしやすい環境等の整備に資する優良なリフォームを支援する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」です。

「戸建住宅又は共同住宅のリフォーム工事」が対象です。

そのため、概要をチェックしておきましょう。

対象者

戸建住宅又は共同住宅のリフォーム工事
・性能向上リフォーム工事に要する費用
・子育て世帯向け改修工事に要する費用
・インスペクション、維持保全計画・履歴作成に要する費用 等

支援額

・補助率:補助対象費用の1/3
・補助限度額:80万円/戸 等

申請期間

〇通年申請タイプ
・事業者登録の受付期間:令和6年4月15日(月)~令和6年11月29日(金)
〇事前採択タイプ「安心R住宅」「提案型」
・提案の受付期間 令和6年4月15日(月)~令和6年5月31日(金)
○交付申請の受付期間:令和6年5月中旬~令和6年12月23日(月)

▶︎「長期優良住宅化リフォーム推進事業」公式HP

リノベ関連の税制優遇制度

住宅ローン減税(所得税・個人住民税)

住宅の確保を促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、
年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除する制度です。

では、住宅ローン減税(所得税・個人住民税)の税制優遇制度に関する要件を見てみましょう。

支援対象

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の新築

控除率

各年末の住宅ローン残高の0.7%(控除期間:最大13年間)

最大控除額

住宅の性能に応じて以下のとおり(R6・7年入居の場合)
※金額は、子育て世帯・若者夫婦世帯がR6年中に入居した場合の最大控除額
・認定長期優良住宅・認定低炭素住宅:455万円
・ZEH水準省エネ住宅:409.5万円
・省エネ基準適合住宅:364万円

➤国土交通省「住宅ローン減税(所得税・個人住民税)

投資型減税(所得税)

耐久性や省エネルギー性に優れた住宅を、ローンを利用せずに自己資金のみで取得する場合にも所得税が控除されます。

では、投資型減税(所得税)の税制優遇制度に関する要件を見てみましょう。

支援対象

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅の新築

控除率

標準的な性能強化費用相当額の10%

最大控除額

65万円【税額控除】

➤国土交通省「投資型減税(所得税)

固定資産税、登録免許税、不動産取得税の優遇措置

一定の認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の新築又は取得を行った場合、所得税、登録免許税等が軽減されます。

では、固定資産税、登録免許税、不動産取得税の優遇措置の税制優遇制度に関する要件を見てみましょう。

支援対象

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の新築

支援内容

・固定資産税:一般住宅に比べ、軽減期間を2年延長(※)
・登録免許税:一般住宅に比べ、税率を0.05%-0.2%減免
・不動産取得税:一般住宅に比べ、課税標準からの控除額を100万円増額(※)
(※)の特例については認定長期優良住宅のみ

➤国土交通省「固定資産税、登録免許税、不動産取得税の優遇措置

贈与税非課税措置

父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得又は増改築等のための資金を贈与により受けた場合に、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度です。

では、贈与税非課税措置の税制優遇制度に関する要件を見てみましょう。

支援対象

住宅取得費用の贈与を受けて行うZEH水準省エネ住宅の新築及び住宅取得等費用の贈与を受けて行う省エネ性能を有する住宅への改修工事

支援内容

一般住宅に比べ、非課税限度額を500万円加算

➤国土交通省「贈与税非課税措置

省エネリフォーム税制(所得税・固定資産税)

一定の省エネ改修工事を行った場合、改修後居住を開始した年の所得税額が一定額控除されます。(適用期限:令和7年12月31日)

では、省エネリフォーム税制(所得税・固定資産税)の税制優遇制度に関する要件を見てみましょう。

支援対象

省エネ性能を有する住宅への改修工事

支援内容

所得税・固定資産税の控除
【所得税】
●控除率:標準的な工事費用相当額の10%等を控除
●最大控除額:62.5万円/戸(※)
※太陽光発電を設置する場合は67.5万円/戸

【固定資産税】
●工事翌年度の固定資産税額の1/3を減額(120㎡相当分まで)

➤国土交通省「省エネリフォーム税制(所得税・固定資産税)

リノベ関連の融資優遇制度

フラット35S

「省エネルギー性」、「耐震性」、「バリアフリー性」又は「耐久性・可変性」のいずれかについて優れた性能を有する住宅の供給を促進するため、フラット35の金利を一定期間引き下げる制度です。

では、フラット35Sの融資優遇制度に関する要件を見てみましょう。

支援対象

省エネ性能に優れた住宅の新築

支援内容

断熱等級4かつ一次エネ等級6又は断熱等級5かつ一次エネ等級4: 適用金利当初5年間▲0.25%引下げ 断熱等級5かつ一次エネ等級6: 適用金利当初5年間▲0.50%引下げ ZEH住宅: 適用金利当初5年間▲0.75%引下げ

➤国土交通省「フラット35S

フラット35リノベ

フラット35リノベ“とは、中古住宅の購入とあわせて、一定の要件を満たすリフォームを実施することで、”フラット35“の借入金利を一定期間引き下げる制度です。

「中古住宅を購入後に自らリフォームを行う場合(リフォーム一体タイプ)」と「住宅事業者がリフォームを行った中古住宅を購入する場合(買取再販タイプ)」があります。

では、フラット35リノベの融資優遇制度に関する要件を見てみましょう。

支援対象

既存住宅購入とあわせて実施する省エネ改修工事

支援内容

適用金利当初5年間▲0.5%引下げ(※) ※断熱等級4かつ一次エネ等級6又は断熱等級5かつ一次エネ等級4の場合は、当初5年間▲1.0%引下げ

➤国土交通省「フラット35リノベ

補助金を活用する際の注意点

  1. 事前申請が必要
    ほとんどの補助金制度は、工事開始前に申請が必要です。事前に工務店やリノベーション会社と相談しましょう。
  2. 要件を満たす工事を選ぶ
    補助金の条件を満たす内容でないと申請が通らない場合があります。認定業者や設計士に確認を。
  3. 予算枠に注意
    補助金は予算枠が設定されており、早い者勝ちの場合が多いです。早めの申請が重要です。

まとめ:空き家×フルリノベ×補助金がコスパ最強

今回は「家賃節約術 vol.3「中古物件のリノベーション用の補助金11選」」を紹介しました。

フルリノベーションは高額な工事になりますが、補助金を活用することで大きな負担軽減が期待できます。特に、省エネや耐震性を重視した工事では、多くの支援制度が利用可能です。

  • 資産価値を高めたい方:長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 省エネ性能を向上させたい方:こどもエコすまい支援事業やZEH補助金
  • 安全性を確保したい方:耐震改修助成金

理想の住まいを実現しながら、賢くコストを抑える方法を見つけてください!


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