外資系コンサルタントの内定が欲しいけど、「MARCH以上の大学じゃないと内定は出ないのか・・?」、「MBA取得・留学経験がないと内定は出ないのか・・?」、「就職倍率が20倍以上って聞いたけど、どのくらいなのか・・?」と多くの疑問を持っているのではないでしょうか。
この記事では、外資系経営コンサルティング企業で面接官をしていた経験から、コンサル内定に必要な学歴・必要資格・就職倍率等、皆様から頂いた様々な疑問にお答えしつつ、皆様に外資系コンサルタントの内定獲得のポイントと対策方法を紹介していきます。
この記事は「外資系コンサルティング業界に興味がある方」、「外資系コンサルタントになるための適性を知りたい方」に読んでいただければ幸いです。
外資コンサル企業の内定獲得に必要な能力・資格
課題解決力
課題解決力は「クライアントニーズの理解」と「分析力と問題定義」が掛け合わされて効果を発揮することが可能です。
クライアントの課題の解像度が低くなってしまうと、打ち手がぶれてしまったり、説得力の弱い提言になってしまったりしてしまいます。
「クライアントニーズの理解」はクライアントのビジョンや目標を理解し、それに基づいて解決策を提供できることが大切です。
また、「分析力と問題定義」は複雑な問題を深く理解し、根本的な要因を明確にする能力が必要です。問題・課題を正確に定義することは、解決策を見つける第一歩となります。
論理的思考力
論理的思考力は「クリティカルシンキング」と「分析能力」が掛け合わされて効果を発揮することが可能です。
論理的思考力は最終的な解決策の質を向上させるために最も重要なスキルとなります。
「クリティカルシンキング」は論理的かつ創造的な思考が必要となります。既存の課題に対する標準的なアプローチだけでなく、新しい視点からも問題に取り組むことが求められます。
「分析能力」は新しい業界やクライアントのビジネスに対する理解を迅速かつ効果的に深めるための高い研究能力が求められます。
コミュニケーション力
コミュニケーション力は「クライアントへの理解・対話力」に加えて、「チームワーク」と「プロジェクトマネジメント」が掛け合わされて効果を発揮することが可能です。
コンサルは常に新しいメンバーで構成されるため、プロジェクトの成功にはチームメンバー・クライアントとの適切なタイミングでのコミュニケーションが不可欠になります。
「クライアントへの理解・対話力」について、要件の理解、提案の説明、結果の報告等クライアントとのコミュニケーションを取る際は、相手の知識レベルに合わせた適切なコミュニケーションが必要となります。
「チームワーク」について、プロジェクトは1年以下という短期間で複数メンバーと協力及び効果的なコミュニケーションが求められるため、相手の働き方・知識レベル・得意/不得意・コミュニケーションスタイル等、新しいチームメンバーへの迅速な適応が求められます。
「プロジェクトマネジメント」について、プロジェクトの進捗管理や期限の遵守が重要となるため、計画、実行、モニタリング、調整など、プロジェクト全体を効果的に管理できる能力が必要です。
ストレスへの柔軟性・適応力
コンサルタント職はビジネス環境やクライアントの要望の変化が多く、ストレスが多くかかかることがあります。その点、考え方の柔軟性を持ち、変化に適応できることが求められます。
社会人マナー
これはどの職業でも共通して言えることですが、特にコンサルタントは人が売り物となるため、クライアントから言葉遣い・身だしなみ等のマナーを厳しく見られることになります。
資格・知識(ITの知識・MBA・英語力)
コンサルタントは情報収集の際に国内の情報だけでなく、海外の情報を入手する必要があるため、英語の読み書きは必須スキルと言えます。また、プロジェクトによっては会議内で英語を使う機会も発生するため、ビジネス英会話ができる人材は非常に重宝され、他の受験者と差別化を図ることができます。
また、近年はテクノロジー系の案件が増えてきているため、ITの知識の需要も高まっています。
また、MBAや中小企業診断士などの資格は昔から経営コンサルタントで人気の資格となっておりますので、他受験者との差別化は可能となります。
職歴(中途向け)
中途でコンサルタントに入社を希望される方は、前職にてどのような経験をしたのか、即戦力として活躍できるのかという点で見ていることが一般的です。特に年齢が高いとその傾向が強く、逆に20代の場合は半ポテンシャル採用という形で採用されることも多いのが現状です。
学歴(新卒向け)
出身大学を足切りに設けているケースは殆どありません。
しかし、コンサルタント職でロジカルシンキングが求められる都合上、旧帝大、早慶、MARCH、海外大で9割を占める構成となっており、結果的に高学歴の方が多い傾向にはあります。
これは、学歴フィルターが存在するというより、高学歴ほど優秀な人材が多いため、結果的に選考を突破しているケースが多いためです。
また、プロジェクトによって理系・文系の知識が必要なプロジェクトなどがありますので、内定者の文系・理系割合を定めている会社も存在します。
コンサル選考の流れと各選考で見ているポイントと対策
コンサル企業の選考はファームによりますが、4次面接まであることが一般的です。各選考でコンサルに必要な素養を全部見ていますが、面接の時間は限られているため、各段階の選考で特に注力してみている能力が異なるので、各選考で特に何をアピールしなければならないのか、そのためにはどのような対策をすればよいのかを順を追って説明します。
書類選考:学力検査・資格/職務経験
【目的】
書類選考は全ての会社で存在しますが、コンサルタント職の場合、学力検査は足切りに、資格・職務経歴は加点要素に活用されるケースが多いです。
【対策①】学力考査
コンサル職は学力検査が重要視されているので、参考書などを用いた徹底的な対策が必要になります。また、多くのコンサルファームは一般的なSPIを採用していないため、独自のテスト対策が必要となります。
参考までに主要なコンサルファームのWebテストの形式・参考書をまとめました。
【各ファームのWebテスト形式】
・TG-Web:デロイトトーマツコンサルティング、ローランド・ベルガー、EYアドバイザリー
・SPI:アビームコンサルティング
・玉手箱:マッキンゼー・アンド・カンパニー、KPMG、PwC、アクセンチュア
・GMAT:ベイン・アンド・カンパニー
・ヒューマネージ:Strategy&
・オリジナル:A.T.カーニー
・学力考課なし:アーサーDリトル
【対策②】資格・スキル(ITスキル・MBA・英語力)
新卒の場合は学力考査の結果で概ね書類選考の合否が決定しますが、中途の場合は募集中のポストと資格やスキルのマッチング度合いが高ければ、学力考査が基準値以下でも書類選考を通過することが可能です。
例えば、IT専門スキル、MBAやビジネス英会話力については他の受験者と大きく差別化を図ることができるため、非常にアピールしやすい能力となります。
【対策③】職務経験(中途のみ)
資格・スキルと同様に、中途の場合は募集中のポストと前職の経験のマッチング度合いが高ければ、学力考査が基準値以下でも書類選考を通過することが可能です。
【通過率】
書類選考の通過率は20~50%程度と言われています。
1次面接:社会人マナー・大学・前職での経験・志望理由
【目的】
1次面接では課題解決力、論理的思考力、コミュニケーション力、社会人マナーを幅広く確認することを目的としています。 特に①社会人マナーがない、②質問に対して回答がない又は何を伝えたいか不明瞭、③質問に対して論理立てた回答ができていない場合は、落とされる可能性が非常に高くなります。
【対策】
1次面接では過去の経験・壁/課題と解決方法について深堀されることが多く、「なぜその行動を取ろうと思ったのか?ほかに選択肢があったのか?」、「これまでの経験でどのような苦労・課題があったのか?その課題をどのように解決できたのか?」を聞かれることが多いです。
この質問は「課題の解決方法の良さ」を見ているのではなく、「課題の要素分解ができているのか?」、「その課題1つ1つに対してどのような論理展開で解決方法を見出したのか」などの意思決定のプロセスを明確にしようとしています。
そのため、1次選考を突破するには「××大会で優勝した」、「〇〇部の部長を務めた」などの経験をアピールする必要はなく、深堀されても回答できるような課題と解決策の回答がしやすい内容をエピソードとして伝えるのが好ましいです。
【通過率】
1次面接の通過率は50%弱程度と言われています。
2次面接:論理的思考力
【目的】
2次面接では論理的思考力を中心に確認するところが多く、コンサルファームによってはケース面接、フェルミ推定、グループディスカッションなどを実施しています
【対策①】ケース面接
ケース面接は①ケース面接の参考書を解く、②模擬ケース面接(面接官役を誰かに任せる)をすることで対策をすることが可能です。私も①参考書を1周して、②の面接対策は友人又はキャリアコンサルタントの方に手伝ってもらいながら2~3回練習していました。
参考までに私が使っていた参考書とキャリアコンサルタントのリンクを共有します。
【外資コンサル採用担当者おすすめの転職エージェント】
My Vision
アクシスコンサルティング
【ケース面接のお題例】
・コーヒー屋の利益を2倍にするためには?
・サラリーマンの副業は認めるべきか?
【対策②】グループディスカッション
グループディスカッションの場合は、論理的思考力だけでなく、コミュニケーション力や積極性が必要となってくるので、そのスキルをアピールできる担当を引き受けるのが重要です。
具体的にファシリテーター、書記、タイムキーパー役の中ではファシリテーションがおすすめです。
ファシリテーターには議論内容の理解、チームメンバーへの配慮など広い視野を持つなどの素養が必要となります。
ファシリテーターが得意な場合は・・・?
積極的にファシリテーターとなることをおすすめします。
ファシリテーションが苦手は場合は・・・?
自信がない場合にはファシリテーターのサポート役に回ることをおすすめします。役職ではありませんが、常にファシリテーターと波長を合わせ、役職がないことを逆手に取り、じっくり考えてクリティカルな意見を出し続けることで、コンサルタントに必要な論理的思考力を最大限にアピールしましょう。
その他のタイムキーパーや書記は避ける必要があります。
タイムキーパーや書記は加点要素がなく、出来なければ減点されるだけなので、役割をもらうだけ損になります。タイムキーパーや書記の役割を担うくらいであれば、頭のリソース全てディスカッションに費やしましょう。
【対策③】フェルミ推定
フェルミ推定は下記のようなお題について、一定の根拠のある仮説を立てて、数値を概算するスキルを指します。コンサルタントは短い時間で確からしい数値を素早く計算することが色んな場面で求められるため、ケース面接まではやらなくとも、軽いフェルミ推定レベルで受験者の論理的思考力を計るケースも増えています。
下記に私がコンサル就活に活用していた参考書のリンクを掲載しておきます。
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【フェルミ推定のお題例】
・年間のJRの運賃売上
・新幹線内で1日に販売されるコーヒーの数
【通過率】2次面接の通過率はコンサルファームによりますが、30~50%程度と言われています。
3次面接:キャリア志向と会社のマッチ度合い
【目的】
3次面接ではご自身の強みとキャリア志向とコンサル会社を深く理解しているかどうかを見ています。
具体的には、長く働く可能性があるか?ご自身の能力を踏まえて、理解しどのように会社に貢献できるか明確化できているか? を確認するために、「志望理由・どのような領域を希望するのか・これまでの経験を踏まえてどのように活躍することが可能か」を詳細に確認していきます。
【通過率】
ここでの通過率もおよそ50%程度と言われています。
最終面接:合格点に達していない要素の確認
【目的】
4次面接は基本的に意思確認の要素が強いです。意思確認と言っても会社のことを理解しているか、働き方を理解したうえで志望しているのか等、受験者の本気度を確認するための質問をする傾向にあります。ここでも論理的かつ情熱的に会社を志望する理由を伝えることが望ましいです。4次面接ではパートナークラスが出てくるため、かなり圧倒される可能性がありますが、物怖じせずに意見を伝えることが好ましいです。
まとめ
今回は「コンサル内定獲得のポイントと対策」を紹介しました。私は長年、経営コンサルタントとして働きながら人事や面接官をしておりますが、コンサル会社特有の面接を行うため、対策なしで突破するのは非常に難しくなっています。転職エージェントは転職支援・面接対策のプロなので、コンサル転職・就職に興味がありましたらぜひ登録してみてください。
以下の記事では「転職」、「節約」をテーマにした記事となっているので、是非併せて読んでみてください。